地域の夏祭りに1万人の若者が集結「ニコニコ町会議 in 香川県・琴平町」

公開日: 著者:
「ニコニコ町会議 in 香川県琴平町」の開幕を待つ来場者たち写真:「ニコニコ町会議 in 香川県琴平町」の開幕を待つ来場者たち(Photo by Masahiro HONDA on Flickr

 2013年7月27日、「ニコニコ町会議 in 香川県・琴平町」が開催された。http://ex.nicovideo.jp/chokaigitour/

 「ニコニコ町会議」とは、幕張メッセで毎年開催されるニコニコ動画(株式会社ニワンゴ運営)最大のファンイベント「ニコニコ超会議」のエッセンスを凝縮した地方キャラバンである。初年度の2012年は、7ヶ所合計で6万5000人の動員実績、ネットでの参加者は130万人を超えた。

 今年は485件の応募の中から、9月までに全国8箇所で開催される。琴平は、同町のユーザーである「金太郎」さんの応募がきっかけとなり、地元商工会の青年部を中心に「こんぴら夏まつり」に合わせて「町会議」を開催。例年2500人を集める夏祭りに、主催者によると、今年は約1万人の人出を記録した。

 また、当日の模様を中継したニコニコ生放送の「ニコニコ町会議 in 香川県・琴平町」視聴者数は、15万人を突破している。


多くのティーンエイジャーを惹きつけるのは、ネットの有名人

女の子たちにサインを求められる出演者の「koma'n」さん写真:サインに応じる出演者の「koma’n」さんは、ニコニコ動画の「歌ってみた」の有名人(Photo by Masahiro HONDA on Flickr

 ニコニコ動画側にとっては、地元の祭りとのコラボによって、新規ユーザーを掘り起こせる。一方、地元にとっては、集客の呼び水となることは間違いない。

 ともすると、インターネットの独特のノリに対して白眼視する大人が多い中、ニコニコ動画のパワーを理解し、「町会議」の誘致を判断出来る地元(琴平では商工会)は立派である。開催地側の大人は、彼らの子どもたちに聞いてみたのだろう。答えは明白だ。ニコニコ動画は、特に10代には圧倒的な知名度を誇る。

 舞台袖では、出演者の一人「koma’n」さんをサインを求める女の子が幾重にも取り囲んでいた。彼女たちが目を輝かせる相手は、テレビに出演する人ではない。テレビを始めとしたマスメディアの退潮が叫ばれて久しい。それぞれに役割があり、ネットが完全に凌駕することはないとは思うが、ことニコニコ動画に関しては、例外的にほぼネットだけで世界観が確立していると言っていい。


一日限りのイベントから継続的な町おこしに繋げるには

参加者と一緒に「踊ってみた」写真:参加者にダンスを教える「踊ってみた」のスター「のらくら」さん(中央)と「θ(しーた)」さん(右)(Photo by Masahiro HONDA on Flickr

 会場を一歩離れると、対照的に普通の町並みが広がっていた。運営上の難しさはあるが、参加者に町内を移動させる仕掛けを作り、町や商店街などより広いエリアを会場にすることが出来れば、さらに町全体が盛り上がれる気がした。

 ニコニコ動画ユーザーへのPR効果は計り知れないものがある。1万人来場による出店などへの直接的な経済効果もあったに違いない。しかし、「町会議」は、それぞれの町にとっては一日限りのイベントだ。来年も同じ場所に来てくれる保証はない(2012年と2013年の開催地はすべて異なる)。会場を訪れた杉本誠司・ニワンゴ代表も、今後は地域が自発的にニコニコ動画を使ったイベントを開催出来るようになると、もっと面白いと語っていた。


オンラインとオフライン、地域と地域をつなぐ「ニコニコ町会議」

コスプレをして来た参加者写真:コスプレをして来た参加者(Photo by Masahiro HONDA on Flickr

 「町会議」は、幕張メッセで開催されたニコニコ超会議に参加出来なかった人のために全国を周っている。しかし、単に都会のコンテンツを地方に持ってきたのではない。

 つまり、ステージに上がった「スター」は、必ずしも東京や大阪にいるわけではなく、基本的にはネット上に存在する人だ。東京も含め全ての地域に対してフラットである。大都市の有名人が地方に来たのとは意味が違う。

 東京も地方も関係なく、人々が相互に同じレベルで繋がれる世界がここにはある。これはインターネットの可能性そのものであり、各地域の人と人、オンラインとオフライン、二層の接点に位置するのがニコニコ町会議なのである。(了)


ニコニコ超会議は、この後6ヶ所での開催が予定されています。開催地など詳細は、「ニコニコ町会議」公式サイトをご覧下さい。


関連する記事