【CTF2015】公共とITのあたらしい関係「公と共の担う役割に変化が起きている」

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【特集】CIVIC TECH FORUM 2015

 CIVIC TECH FORUM 2015(2015年3月29日開催)特集として、本イベントの運営委員や各セッションの企画担当者”コンテンツチェア”に振り返り記事を書いてもらった。文章に加え、動画・写真・グラフィックレコーディングを合わせ、セッションの概要から詳細まで把握できる構成になっている。

・講演:公共とITのあたらしい関係「公と共の担う役割に変化が起きている」
・登壇:信岡良亮(株式会社巡の環)
・文章:鈴木まなみ(CIVIC TECH FORUM 2015・運営委員長)

登壇者の設定理由

 セッションチェアである実行委員の黒井理恵さんに今回のイベントの相談をする中、「Commonは『公共』と訳されてしまうが、実は『公』『共』の2つが入っている。『公』は国や行政が行うサービスなどで、『共』はご近所や町内会などの信頼関係で支え合う仕組み。日本は共によって町が支えられてきたが、発展とともに公が充実し肥大化してきた。

 少子高齢化や医療福祉ニーズの拡大、不況による税収入の減少により、地域も日本も『公サービス』を全国民に提供できる状態ではない。また、公の充実による『共の喪失」が新たな社会課題を生み出している(孤独死、子育ての孤立、などなど)。今後は新しい『共』の仕組みが必要になってくる。」というお話を伺った。

 その言葉は株式会社巡の環・取締役の信岡さんの言葉とのこと。今回のイベントで伝えたかったメッセージ「自分ができることからはじめてみる」ことが必要になってくる背景として、是非そのお話をしていただきたいと思い、信岡さんに登壇をお願いした。

セッション概要

 セッションは、ゲームから始まった。まずは会場全員に立ってもらい、「海士町がどこにあるか分からない人」に手を上げさせ、全員手を下ろすことができるまで座れないゲームだ。会場では、海士町の位置を知っている人(手を上げていない人)が知らない人(手を上げている人)に海士町の位置を教え始めた。そして、ついに叫んで海士町の位置を伝える人も現れた。

 このゲームを通じ、信岡さんは「いま起きたことが、まさに公と共の話だと思っています」とのこと。「公共サービスがなくなるという言葉を耳にするけれど、公と共とは別のもの。公=Public(役所)の反対は『私=Private』であり、共は私たちのことで『Commons』です。公のサービスがなくなっても、人が存在すれば共というサービスはなくならないはず…そんな問を持っています。」と語り、続いて、

 「今回のゲームで例えると、公が与えた課題 ”全員座ること” をみんなで取り組みましたよね? それは隣の人に教える、教えてもらうということでした。シビックテックのテックとは、テクノロジーでありITではないです。この場合でいえば、教えるということがテクノロジーなんです。今回は叫ぶというテクノロジーも出てきましたね。もしかしたら、言葉では分からないから、絵を書く人、GoogleMapを使う人が出てきたかもしれない。テクノロジーによって課題解決の速度は上がります。そして今回は “座れない” という課題を見える化しました。座れないとハッピーになれないという共有認識を持った時に初めて、課題をみんなで解決しようとします。

 シビックテックが必要になるのは、公が世の中の変化に対応できなくなった時。その際に公に不満をぶつけるのではなく、自分達で解決しようとするマインドをどれだけ持てるのか?がこれからの共だと思っています。いままで公がやってきたことを共でやるときには勇気が必要になりますが、課題をシェアできている場合、その課題を解決したり、同じ課題に向かっている人と思ったら、一般社会で浮いている人でもその課題を解決するテクノロジーを提供したりした人はHEROになります(叫んだ人のように)。

 大企業の中で働いていると、誰の役に立っているのか分からなくなりますよね。でも、共は活躍する場面と役に立ったと実感できる場面が交わる場があると思っています。例えば、今回のゲームのようにこの場所(会場)でこれ(座れない)を解決してくれた人と分かると実感が持てます。そんな共の力をみんなで考えていきたいと思います。」という言葉で、トークを締めた。


動画

https://youtu.be/79CyL4VyRoE?t=2h9m(Civic Tech Forum 公式YouTubeアカウント)

グラフィックレコーディング

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