【CTF2015】公共とITのあたらしい関係「地域のつながりをITでバージョンアップする方法」

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左から、信岡さん、福島さん、宮島さん、杉山さん Photo by Toshiya Kondo @civictech forum(CC-BY)

【特集】CIVIC TECH FORUM 2015

 CIVIC TECH FORUM 2015(2015年3月29日開催)特集として、本イベントの運営委員や各セッションの企画担当者”コンテンツチェア”に振り返り記事を書いてもらった。文章に加え、動画・写真・グラフィックレコーディングを合わせ、セッションの概要から詳細まで把握できる構成になっている。

・パネルディスカッション:公共とITのあたらしい関係「地域のつながりをITでバージョンアップする方法」
・登壇:信岡良亮(株式会社巡の環)、杉山智明(青森県商工労働部)、福島健一郎(Code for Kanazawa)、宮島真希子(横浜コミュニティデザイン・ラボ)、
・文章:鈴木まなみ(CIVIC TECH FORUM 2015・運営委員長)

登壇者の設定理由

 実際に活動されている方に、その背景にある考え方など講演では聞けない部分を話していただきたく、パネルディスカッションという形で登壇をお願いした。パネラーには、公の立場として、県主導によるITコミュニティ「新時代ITビジネス研究会」を設立し、ソフト面での行政支援を推進している青森県商工労働部の杉山智明さん。共の側からは、コミュニティ活動において行政ともお付き合いのあるCode for Kanazawaの福島健一郎さんと、横浜コミュニティデザイン・ラボの宮島真希子さん。モデレータは、前段で講演した信岡さんに引き続きお願いした。

セッション概要

 パネラーの自己紹介の後、パネラーが会場から質問を聞きに行き、それについて回答するスタイルで進行された。心に残ったやりとりをいくつか紹介する。

Q(信岡) 個人として何故いまの活動をしているのか?そのモチベーションは?

A(宮島) ここで暮らしているから、ここを面白くしたい。まわりに面白い人とかいいことがあると愉快なので。今やっていることのリターンが、2年後に想定外の違う人から来たり、お金という形ではない、関係性や違う仕事だったりなどで返ってきて……それが「あの時取り組んだことだな」って分かるといいものだなって思います。

A(福島) 難しいことは考えてなくて、やりたいという気持ちがあるから。きっとみなさまも関われるなら関わりたいと思っているところがあり、きっかけがあるかないかの差だけな気がしています。また、自分の気になる課題の解決をしていきたいと思うから。自分で動けば自分のやりたいことができるという思いもあるのかもしれません。

 「やりたいから」「愉快なので」など自分の感情に素直に行動をしているからこそ、まずは行動というアクションができているのかな?と感じた。自己満足からというある意味なスモールスタート。

Q(信岡) 小さな成功事例があることで、さらに次へと頑張れる力になると思っています。そんな出来事ってありましたか?最初の一歩を踏む出す際に大事になると思うので教えてください。

A(杉山) 最初のハッカソンを実施する際は、口説きまわった形で参加してもらったけれど、いざ実施してみると、参加者やメンターにまたやりたいと言われたこと。また、ハッカソン後も、自分事として継続してくれている人を見ると、良いきっかけになったと思えて嬉しいし、自分も頑張らなければと勇気づけられます。

A(福島) コミュニティを始める際は9人で始めたのですが、自分以外の残りの8人は一人ひとりを口説きにいきました。その際の1人に「Code for Kanazawaのような活動はできたらいいなという思いはあるけれど、団体を作ってまでは自分はやれない。作ろうとしてくれたことが嬉しいから協力するよ。」と言われた言葉。1人ではなかなかできないことが多いですが、コミュニティがあるから自分の出来る範囲でやれることをやれている気がします。

 信岡さんが、社会変革の中で活動の継続性についてある人に尋ねた際「『ひまわりの種の中に、ひまわり畑を想像できればいいんだよ』と言われたことがあります。自分も種の一つですよね。」というエピソードを披露してくれた。自分が何を得られるのかではなく、自分がどうなりたいかがまずあって行動し、自分が行動することによって周りの変化が実感できると、ひまわり畑を想像できるようになり、活動がもっと楽しくなり継続されていくのかな?と感じた。

 そしての信岡さんの最後の感想がとても印象的だった。

(信岡) 2300人の島にいた際、お世話になっている漁師さんがよく飲みに連れて行ってくれたんですが、何も返せてないなーって思っていたんです。でもその漁師さんの息子さんが大学受験の時期になった時、勉強を教えてやってくれないか?と頼まれました。それならできる!と思いました。そして息子さんが大学に合格したら、他の島の住人に「あんたらのおかげで島から大学進学者がでた」と喜んでくれたんです。

 自分がそのコミュニティに所属して誰かを褒めると、そのコミュニティを大切に思っている人が喜んでくれたり、褒めた自分をまた褒めてくれたりする。それって2倍3倍お得じゃないですか? コミュニティって幸せの乗数効果を持っているし、幸せがめぐるのを実感できる距離というものを自分でもう一度作り直せる世界な気がしています。

 私もあるコミュニティに所属しているが、自分の知識をシェアしただけで、予想外のもの(仕事や人とのつながりや感謝の気持ち)がたくさん入ってきた経験がある。そして、「Aさんにお礼を言われたけど、それはあなたが日頃僕を支えてくれているおかげです、ありがとう。」と、違う人への感謝が私への感謝につながったこともある。話を聞く中で、コミュニティは、会社とは大きく違い、「誰の役に立っているのか」や「幸せの循環が実感できる」形だからこそ、心地いいんだろうなと、とても共感した。

 もしも、そんな体験がまだない人は、宮島さんの「今までやってなかったことを一個やるだけで世界とつながることもあるので、ちょっとした勇気を出してみて」という言葉をお伝えしたい。


動画

https://youtu.be/79CyL4VyRoE?t=2h21m34s(Civic Tech Forum 公式YouTubeアカウント)

グラフィックレコーディング

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ここに取り上げた以外のグラフィックレコーディングはFlickrでもご覧になれます。https://flic.kr/s/aHsk9XGMST