【CTF2015】地域を支えるコミュニティの変遷とこれからの姿 「産官民の関わり合いに今起きている変化」

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【特集】Civic Tech Forum 2015

 Civic Tech Forum 2015(2015年3月29日開催)特集として、本イベントの運営委員や各セッションの企画担当者”コンテンツチェア”に振り返り記事を書いてもらった。文章に加え、動画・写真・グラフィックレコーディングを合わせ、セッションの概要から詳細まで把握できる構成になっている。

・講演:地域を支えるコミュニティの変遷とこれからの姿「産官民の関わり合いに今起きている変化」
・登壇:小泉秀樹(東京大学工学部都市工学科)
・文章:関治之(Civic Tech Forum 2015・運営委員)

このセッションの背景

 シビックテックで忘れてはいけない要素、それはコミュニティビルディングである。市民のためのテクノロジーである以上、技術者だけの活動だけで満足するのではなく、多様な人達の中に入っていき、課題を定義し、解決に向けた持続的な体制を作っていく必要がある。IT技術をどう使うかということだけではなく、従来のコミュニティデザイン論を学ぶことで、シビックテックをどのように社会の中に実装していくのかのヒントにしたいと思い、コミュニティデザインに造形の深い小泉先生に基調講演をお願いした。

セッションの概要

 詳しくは是非動画(https://youtu.be/79CyL4VyRoE?t=1h17m31s)を見ていただきたいが、コミュニティとは?という定義から始まり、社会の形に応じたコミュニティの変化についての解説があった。最初に自治会などに代表されるような地縁型のコミュニティが生まれ、NPOに代表されるようなテーマ型のコミュニティが阪神淡路大震災を契機に多く発生した。そして地域の多様性が増す中で、いままでとは違う現代的なコミュニティデザイン論の必要性が語られ始める。さらに東日本大震災を決定的なきっかけとして様々な取り組みが生まれ、現在に繋がっていることが示された。

 続いて、神戸市の真野地区や世田谷区の太子堂などで、住民たちが自分自身でまちづくりをしてきた事例を通じて、課題やビジョンを共有し、多様な住民が共に課題解決を行なっていくための具体的な手法、ステークホルダー分析、ワークショップ、アウトリーチなどが示された。

感じたこと

 体系化されたコミュニティデザイン論の中にシビックテックの活動を位置づけてみることで、シビックテックコミュニティが持続可能なものになるための課題が明確化されたセッションであった。セッションではコミュニティーマネージャー、コミュニティデザイナーといった職業が生まれにくい日本の状況などにも触れたが、特にステークホルダー分析やアウトリーチといった具体的な手法が示された点は大きかった。「課題の解像度が上がった」とも言えると思うが、課題の解像度があがると、解決がしやすくなる。

 小泉先生からも話があったが、ITを活用することで、ステークホルダー分析やアウトリーチといった手法をより効果的に実施できるようになるかもしれない。筆者もたくさんのヒントをいただいたが、各地で活動するシビックテックコミュニティのメンバーにとっても、多くのヒントとなった講演であったと思う。これからコミュニティを始めたい人や、現在行なっている活動をさらにバージョンアップしたい人は是非録画を見ていただきたい。


動画

https://youtu.be/79CyL4VyRoE?t=1h17m31s(Civic Tech Forum 公式YouTubeアカウント)

グラフィックレコーディング

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ここに取り上げた以外のグラフィックレコーディングはFlickrでもご覧になれます。https://flic.kr/s/aHsk9XGMST