【CTF2015】アンカンファレンス〜創造的井戸端会議〜

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【特集】CIVIC TECH FORUM 2015

 CIVIC TECH FORUM 2015(2015年3月29日開催)特集として、本イベントの運営委員や各セッションの企画担当者”コンテンツチェア”に振り返り記事を書いてもらった。文章に加え、動画・写真・グラフィックレコーディングを合わせ、セッションの概要から詳細まで把握できる構成になっている。
・アンカンファレンス〜創造的井戸端会議〜
・ファシリテーター:黒井理恵(株式会社DKdo)
・文章:黒井理恵(CIVIC TECH FORUM 2015・運営委員)

 「アンカンファレンス」は、講演・セミナーとは違い、参加者が話したいテーマを挙げたり、少人数で対話したりする参加者主導型のカンファレンスを指す。Code for Americaを始め、ITやスタートアップ関連イベントで採用され、参加者の満足度の高いコンテンツだ。講演やパネルディスカッションが、現在のシビックテックのショーケースなら、アンカンファレンスで集まってきたテーマや人は「未来のシビックテックのショーケース」と言えるだろう。

 今回のCIVIC TECH FORUMには、講演を聞いて学ぶだけではなく一人ひとりがアクションにつなげてほしいという運営側の想いがあり、そのためこのアンカンファレンスは重要な意味を持っていた。2時間のアンカンファレンスでは、既に動いている人達の活動がより促進されるように、またこれから動きたいと思っている人がファーストステップを踏むきっかけをつかめるように、場とプログラムが設計された。

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ファシリテーターの黒井理恵さん
Photo by Toshiya Kondo @civictech forum(CC-BY)

 会場にはアジェンダウォールと呼ばれる「テーマを挙げられる壁」が常時設営されており、アンカンファレンスで話したいテーマを持っている人が、そこに貼りだしていく。すでにテーマを持ってきている人、講演を聞いて触発されてテーマを挙げる人、非ITのNPO実務者がITのアイデアを求めるテーマもあれば、IT系の人がNPO実務者の課題について聞くような逆のパターンも。今回は1ラウンド20分を3セッションで、1ラウンドに付き10個の枠を設け、全体で30テーマが挙げられるようにした。

挙がってきたテーマは全部で27。

  • 「食物アレルギーの子どもたちをITで救うには?」
  • 「wifiアクセスポイントをきっかけに地域を回遊してもらうしかけについて」
  • 「元気のないシャッター商店街をCIVICTECHで元気に」
  • 「防災アプリの日常的な利用について」
  • 「高齢者と共創するには」
  • 「横浜はHUB Cityになれるのか?」
  • 「スマホもパソコンもインターネットもない人はCIVICTECHに関われないのか」

 参加者の出入りは自由で、1ラウンドにつき50-70名程度が参加、全体では100名ほどが参加したと推測される。

 参加者はアジェンダウォールを見ながら、自分が参加したいテーマを選び、対話に参加する。対話の進行はテーマを挙げた人に任され、すべてのグループにグラフィックレコーダーが付き、話されていることがその場で可視化されていく。参加者は膝を突き合わせて、お互いのアイデアや主張に耳を傾けていた。

 20分のセッションの最後には、テーマを挙げた人が「対話を通じて得た気づき」「前に進めるために踏む次の一歩」などについてグループのメンバーに話して終了した。

 アンカンファレンスの醍醐味は「参加者が自ら語り刺激を与え合う」点にあるが、それ以上に、自分とは違う考え、価値観、経験を持った人と出会えることは大きな意味を持つ。特に今回のイベントの参加者は、IT関係者に限らず社会課題解決型のNPOや自治体職員など多様だったため、アンカンファレンス後には「今までまったく考えたことのなかった視点をもらえた」「自分がよく知らなかった、NPOの現場の状況などについて詳しく聞けた」「話すことでやりたいことがまとまってきた」などの感想が挙がってきた。

 単なる名刺の交換ではなく、興味のあるテーマについてお互いの知恵やアイデアを出し合いながら語り合うことで、より深い交流が生まれたようだ。